黒電話 600-A2


 …何でこんなモノをいつまでも持っているのか。

 散乱するガラクタをホジくり回していると、整理の下手クソな自分の責任ながらそう思わされることが多々ありますが、今回の"ブツ"もその1つ。





 黒電話の歴史やウンチクはググれば現れるウィキペディアなどに任せるとして(イー加減ですが)、当方のところにある600型は、200ppsの交換機に対応、ダイヤルの戻り回転が速いA2型で、裏蓋を見てみると「78」とも刻印されていますので、おそらく1978年製造のものなのでしょう。

 果て、どうしてこんなものが、と、ツラツラと輪郭オボロな記憶を辿ってみると…

 1991年か92年、時代は既に、未だ無線機のような無骨な形をしていたとはいえ本来的に携帯できる携帯電話が登場していた頃だっだと思いますが、「伝わればいいじゃない」などと通信というものにトコトン無頓着極まりない両親がようやくFAX付きの電話機を実家に備えたいと相談してきたところで、NTTに800円(!!)も払って買ってしまったのでした。

 まぁ、実家住まいをしていた頃には、夜中や両親のお出掛け中に、友人や当時お付き合いしてくれていた女性などとコソコソとお話などしていた思い出もあって、処分されるとなったその時は、受話器の握り具合、ダイアルを回す感覚が、妙に懐かしくも愛おしく感じられたのでしょうねぇ。


 今また思い出してきましたが、NTTに電話した時に対応に出た女性職員、電話機を買い取るとの旨を伝えた途端からずっと半笑いの声で応答していたものです。

 当時は黒電話を買い取ろうという者など珍しいので可笑しいのだろうと思っていましたが…

 現在、オークションサイトで数々、売られていたり、動画サイトでその動作が沢山、紹介されているのを鑑みますと、意外に黒電話を買い取った方は多かったようで、もしかしたら件の女性職員は「コイツもか」と考えて笑っていたのかもしれません。

 更に鮮明に思い出すに、いやはや、誠に声の綺麗な方でした。


 …果たしてそのご尊顔が窺われなかったことが良かったのか悪かったのかは、別として。




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